越冬

今年の冬は記録的な暖冬が続いていますが、それでも寒い日の朝晩は氷点下になります。植物にとって厳しい季節であることに変わりはありません。我が農園ではこの時期葉物野菜をほとんど作っていないので、全体的に赤茶けた色で覆われているのですが、そんな中で緑を維持しているのは雑草です。

この時期の雑草はほとんどが地べたを這うようにひっそりと生き長らえています。写真は昨年9月の「野草の花(1)」に取り上げたメマツヨイグサです。同じ植物とは思えませんよね。このようなロゼット状態で越冬して、暖かくなってくるとニョキニョキと上方に伸び始め、夏には背丈2メートルにも及ぶ大きな植物に変貌します。地上からはわかりませんが、すでに地下にかなり太い頑丈な根を成長させています。

雑草はよく「逞しさ」の代名詞として使われますが、これらのロゼット状の雑草は本当に丈夫です。少々踏んづけたくらいでは枯れません。今は目立たないのでついつい油断してしまうのですが、退治するなら冬の間が一番です。トラクターでうなってしまうのがいいのですが、これから空っ風の季節を迎えます。柔らかい土をむき出しにしてしまうと、春一番が吹くころに埃が舞い上げられて、一面茶色い濃霧で覆われたような状態になってしまいます。農場のあるところは川越でも郊外ですが、それでも住宅密集地に隣接しています。砂嵐は避けなければなりませんので、タイミングを見計らう必要があります。夏も冬も畑にとって雑草は本当に厄介な存在です。

苺とマナー

我が農園には、物置代わりに使っている小さなビニールハウスがあります。その片隅に、去年イチゴの苗を1本だけ植えました。その後ほっぽらかしだったのですが、数株に増えて、暖冬のせいか早くも花が咲きました。イチゴ農家のようにいいイチゴを作ろうとするとなかなか手間がかかりますが、イチゴはもともと繁殖力が旺盛な植物で、放っておいても勝手に増えていきます。それなりに実もつけます。

イチゴの語源は日本書紀などに出てくる「いちびき」ではないかと言われています。またイチゴを漢字で書くと「苺」。草冠に母。どんどん増える子沢山がこの字の由来だそうです。…とわかったふりして書いていますが、全部ネット情報。孫引きです。ネットを使うと何でも検索して調べることができるので便利ですが、不用意に信じてしまうのは危険です。このイチゴの情報も自分では検証していませんから本当かどうかわかりません。

話がそれますが、ネットには様々なマナー情報が溢れていますよね。例えばノックは3回とか、ワインで乾杯するときはグラスを当ててはいけない、とか。いずれも嘘っぱちです。と言うとどこかから叱られるかもしれないので、私はそんなことは信じていません、と言い換えておきます。孫引きが孫引きを呼んでいつしかそれが常識となってしまう。ネットってすごいですね。

こんなのも見つけました。苺ショートケーキを食べるときはイチゴから食べてはいけない! 窮屈な世の中になったものです。こんなどうでもいいマナー、一体誰が作っているんでしょう。