ナガミヒナゲシ――ポピーなの? ヒナゲシなの?

 4月から5月にかけて、よく見かけるのが写真のようなオレンジ色のポピーです。

 と言ったそばからなんですが、このポピーという名称はかなり曖昧な呼び方で、ネットで調べると、ポピーはケシ科の植物の総称とあったり、ケシ科植物の一種とあったり、ヒナゲシのことと説明していたり、結構まちまちです。断言はできませんが、調べた限りでは英語でケシ科植物全般を指す言葉と考えてよさそうです。

 では今取り上げているこのポピーの正式名は何かというと、ナガミヒナゲシといいます。ケシ科ケシ属の種名がナガミヒナゲシということですね。ちなみに普通のヒナゲシはケシ科ケシ属の種名がヒナゲシです。まあ親戚みたいなものでしょう。

 ヒナゲシというとオッカの上で咲いているものとばかり思っていましたが、このナガミヒナゲシは道路端のコンクリの隙間から生えていることもしばしば。それだけ生命力が強いんですね。もちろん畑にもよく生えてきます。

 タンポポの葉を小さくしたようなものが生えているなと思っていると、そこから1本の細い茎がニョキニョキと伸びていき、その先端に小さなラグビーボールのような形の蕾が付きます。蕾は下を向いていて、まるでうなだれているよう。ところが花が咲くときはシャキッと天に向かいます。

 花びらは4枚といわれますが、5枚のものや6枚のものも結構多く見かけます。変幻自在なのでしょうか。この花弁は手で触れるとすぐに落ちてしまいます。花が終わると細長い実をつけます。だからナガミヒナゲシか。そのまんまでした。

 実の中には1000粒を超える種が入っているそうで、これが散らばるのですから繁殖力は半端ではありません。危険外来種だから駆除すべきだという声もよく聞きますが、この可憐な花を見るとつい気も緩んでしまいますね。

 ところでケシというと思い浮かべるのがアヘン。ただしヒナゲシやナガミヒナゲシからはアヘンは取れないそうなので変な気は起こさないように。ただ、樹液にはかぶれる成分が含まれているそうですので、油断は禁物です。