ナスとトマト

 夏野菜の代表格というとナス、トマトが思い浮かびます。もっとも今はスーパーでほぼ1年中手に入るので、夏野菜のイメージは薄れてしまったかもしれませんね。

 夏の野菜はだいたい体を冷やす効果があります。キュウリもそうですが、水分が多い上にカリウムを多く含むのがその要因です。一方でそれ以外の栄養価はとぼしいものも多く、キュウリなどは世界一栄養のない野菜などとありがたくないレッテルが貼られたりします。ナスも似たりよったりで、あまり栄養価の高い野菜とは思われていません。

 ただナスにはナスニンというポリフェノールが多く含まれているため、抗酸化作用を期待することができます。あの黒々とした皮に多く含まれているため、皮ごと食べるのが秘訣です。お上品な焼き茄子のように皮を剥いてしまってはもったいない。

 まあ栄養価はともかく、漬物にしても煮ても焼いても炒めても美味しいナス。これからが旬ですからたくさん食べてください。

 ところで上のナスの花の写真を見てください。前回のジャガイモの花とよく似ていますよね。同じナス科だというのも納得です。トマトもナス科ですね。花の色はほとんどが黄色でナスやジャガイモとは大違いですが、雌しべを取り囲んでいる雄しべの精悍さなどはよく似ています。

 ナスは日本の気候によく合っているらしく、ほとんど手間なしでどんどん実を付けますが、トマトはとてもデリケートな野菜で、気温や雨量の影響をストレートに受けます。そのあたりのバランスがちょっと崩れると病気になったり裂果したり。栄養豊富なせいか虫も大好きで害虫被害も多く、路地栽培でしかも無農薬で完熟トマトを生産するのは至難の業です。

 ただ、太陽の光をたくさん浴びて熟した路地物トマトの味は格別です。スーパーで売られているトマトはほとんどがハウス栽培ですが、直売所などで路地物を見つけたらぜひ味わってみてください。貴重です。

ジャガイモの花―花の咲く芋、咲かない芋―

 3月中旬に蒔いたジャガイモが5月に入って次々と花を咲かせています。葉は青々として、いかにも盛んに光合成を行っているぞ、という感じ。6月になると花も終わって、時折小さなトマトのような実を付けます。次第に葉も元気を失っていきます。その頃には地下には芋が大きく育っていて、そろそろ収穫時期となります。あとわずかです。

 ジャガイモが青々と成長している5月、同じ芋でもサトイモはようやく芽が地上に現れてきます。その芽力は相当なもので、固まった表面の土を押し上げ、少々の石が乗っていても平気で持ち上げます。

 ジャガイモもサトイモも芋の部分は地下茎で、その点、根が太ったサツマイモとは異なります。でもいずれも芋から芽が出て繁殖する点では共通です。

 芋から繁殖するということは、交配していないということで、つまりは自己複製の繰り返しということになります。品質が悪かったり、病気を持っていたりするとそれが複製され続けることになりますから、良い種芋を用意することが重要になってきます。

 ところで冒頭に記した通り、ジャガイモは花を咲かせ、時に実もつけますが、サトイモやサツマイモは滅多に花が咲きません。いつもどこかに一輪ぐらい花が咲いていないものか見ているのですが、今までお目にかかったことがありません。さあ今年はどうでしょうか。