ニラ

 お盆のあたりから畑のあちらこちらでニラの花が咲き始めます。わが農園では作物としてはニラを栽培していないのですが、勝手に生えてきて至るところに群生しています。その繁殖力は相当なものです。お陰で、ニラ料理を食べたいときには必要な量を刈り取って使うことができて、なかなか重宝しています。

 上の写真のようにニラは小さな白い花をたくさん咲かせるので、群生していると一面が白い花で満たされ、真夏の暑さにうんざりしてくる頃に一服の清涼剤のような爽やかさをもたらしてくれます。そんな点でも貴重な植物です。小さな一つひとつの花も近づいてよく見ると意外と美しい花です。これが9月下旬まで次々と咲き続けます。

 これだけたくさんの花を咲かせるので、当然種もたくさんできますが、種を蒔いて栽培しようとすると結構時間がかかります。プランターなどで作ろうと思ったら、その辺に生えているニラを見つけ、数株引っこ抜いて植えるのが一番手っ取り早い方法です。まず枯れることはありません。ただし畑や他人の敷地から取ると泥棒になってしまいますのでご注意を。食べるときは使う分だけ葉を切り取って、そのまま放っておけばまた葉が生えてきます。株も年々増えていきます。

 ところで、ニラはネギ属の植物ですが、ネギ属は以前はユリ科に分類されていました。新しいAPG分類ではヒガンバナ科になっています。よくニラとスイセンを間違えて食べて食中毒になったというニュースを目にします。スイセンもヒガンバナ科ですので、その葉は似ているといえば似ています。しかしスイセンの葉はニラよりも幅が広くて厚く大きいし、ニラ特有の匂いがしないので、普通であれば間違えることはないはずです。もちろん花を見れば違いは一目瞭然です。ただニラとスイセンが一緒に生えていると、収穫する際に混在してしまうことがあるかもしれません。スイセンは有毒なので気をつけなければなりません。

 スイセンよりももっとニラに似ている植物もあります。畑の片隅にこんな植物がありました。

 これはタマスダレという植物で、やはりヒガンバナ科です。スイセンと同じく有毒です。これも花が咲いていればすぐに区別はつきますが、葉はニラにそっくりです。ニラの隣に生えていたら一緒に摘んでしまうかもしれません。スイセンよりも要注意です。

サトイモ

 わが農園の主力商品はサトイモです。5月ごろに芽生えたサトイモは、真夏には人間の背丈ほどに成長し、太陽の光を最大限受け止めようと大きな葉を広げます。上の写真は8月に撮影したもので、一番勢いのある時期のようすです。

 葉の大きさを測ってみたところ、大きなもので70センチぐらいはあります。昔、子供の頃に雨に降られるとサトイモの葉を傘代わりにしていたことを思い出します。子どもであれば十分雨をしのぐことができそうですね。

 日本ではサトイモ栽培の歴史は稲よりも古く、縄文時代から栽培されていたと言われています。とても丈夫な野菜で、草刈り以外にはほとんど手間がかかりません。

 さて、9月になると次第に葉も元気を失ってきて、いよいよ収穫時期が近づいてきます。この時期、地下ではどうなっているかというと……。

 まだ小さいですが、写真で茎の根元のふっくらした部分が親芋です。そこから小芋が出ていて、さらにこの小芋に孫芋が付きます。その孫芋がみなさんがよく食べているサトイモです。一方、小芋は小頭とも言い、店頭でも販売されていることもありますが、やや硬めでネットリ感は孫芋には劣ります。ただ、一般的に価格が安いのでお買い得ではあります。

 ところで我が家の庭には今年、サトイモが1本勝手に生えてきました。去年の芋が転がっていたのでしょう。観葉植物としてそのまま放置しています。芋は期待できませんが、夏の風情があってなかなかオツなものです。サトイモは水耕栽培もできますので、室内で観葉植物として育てることも可能です。

 大きな葉がしおれてくると、いよいよ本格的なサトイモの季節となります。