台風一過

今年は台風の当たり年だったようです。台風のみならず、大雨、大地震と立て続けに日本中で大災害が起こりました。日本は災害列島と化してしまったかのようです。

先日の台風24号は関東を直撃ではなかったものの、ものすごい強風が吹き荒れました。ほとんど一晩中、家がミシミシと歪むように揺れ続けました。飛ばされるのではないかという恐怖感で、なかなか寝付くことができませんでした。

翌日畑に行ってみると、まさに収穫期の栗の木が1本根元から折れて倒れていました。もともと虫食いになっていたようですが、畑に15本ほどある栗の木の中でも一番いい実がつく木だったので、大打撃です。大雨で地盤がゆるんでいると、根こそぎ飛ばされることもあります。風の力は恐ろしい。

無事生き延びた栗の木も多くの実が風で飛ばされ、散乱していました。栗の実は落ちるとすぐに虫がつきます。その前に拾わなければなりません。この日は1時間ほど栗拾いに専念しました。

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歩く姿は百合の花

もう何度もここに書いていますが、畑にはいろいろな植物が勝手に生えてきます。先日草刈りをしていたら、草の中に1本のユリが花を咲かせていました。

ユリといってもいろいろな種類がありますが、これはタカサゴユリのようです。テッポウユリの仲間で、テッポウユリとは見分けがつきにくいですが、お盆の時期に咲いているのは外来種のタカサゴユリだそうです。テッポウユリは在来種ですが、花が咲くのは5月から6月ごろなのでそこで区別がつきます。もっともテッポウユリとタカサゴユリは非常に近い仲間なので、随分自然交配が進んでいるそうです。

花が終わるとたくさんの種を付け、その種が風で運ばれてまた新たな場所で発芽し、球根を太らせ、やがて花を咲かせます。球根がある限りそこで毎年咲き続けてもよさそうなものですが、ユリは同じ場所に何年も生息することができず、数年経つと消えてしまうそうです。おもしろいですね。

女性の美しさをたとえて、「歩く姿は百合の花」と言いますが、女性の歩く姿とこの百合の花を結びつけるとは相当な想像力ですね。でもまあ美しいことについてはもちろん異論はありません。刈るのが忍びなく、1本だけ残しておきました。

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露地物トマト

夏野菜の代表格といえばトマト。ご存知の通り、リコピンやβカロテンなどが豊富で、とても栄養価の高い野菜です。今はハウス栽培が主流なので一年中出回っていますが、本来の旬はもちろん夏です。ただ、トマトは栽培管理が結構難しく、害虫や病気の影響を受けやすいので、露地物はあまり市場には出てきません。

我が農場では、大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトと、3種類のトマトを露地栽培しています。太陽の光をたっぷりと浴びて完熟したトマトの味は格別です。しかし我が農場は農薬を使いませんので、病虫害の影響も大きく、ハウス栽培のようなきれいなトマトは大玉だと収穫量の3分の1程度しか採れません。

その点、ミニトマトは病害虫に強く収量も多いので、露地栽培に向いています。しかも栄養価は大玉よりも高く、甘みも強いのですから、いいことづくめです。最近は様々な品種が開発されていますので、食べ比べてみるのも楽しみの一つです。写真はサカタのタネのアイコというミニトマトで、紡錘形が特徴です。とてもおいしいミニトマトですよ。生食だけでなく、加熱した料理でもお試しください。

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栗の赤ちゃん

畑の一部を栗畑にしているのですが、少し前まで栗の花が満開でした。栗の花といえばなんとも言えないあの匂い。青春の匂いとでもいいましょうか、あまり好きになれない人も多いことでしょう。でもミツバチは栗の花が大好物です。栗の蜜は色が黒く匂いも強いので好みが分かれますが、栄養価はとても高いんです。

さて、花の時期が終わるといよいよ実が膨らんできます。写真の葉の付け根にある丸いのが雌花。その横の茶色い細長いのが枯れかけた雄花です。受粉の時期が終わると雄花は枯れて落ちてしまいます。それと引き換えに、雌花(実)は大きく成長していきます。写真でもイガイガができつつあるのがわかるでしょう。

埼玉県は栗の生産量がかなり多い県で、全国で5番目ぐらいに入っています。川越のお隣りの日高市は特産品として栗栽培に力を入れていて、結構有名です。川越はそれほどではありませんが、栗の木はそこかしこで見られます。

それには理由があって、農地を持っているが農業はやっていない、という農家さんが多いからです。遊休農地に栗の木を植えて農地としての体裁を保っているんですね。そんな遊休農地を借りている身としてはあまり突っ込めない話題なので以下省略。お察しください。

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ネギ坊主

取り残してそのまま放置しておいたネギの花が咲きました。いわゆるネギ坊主です。このネギ坊主も蕾のうちなら食べられます。天ぷらにするとなかなかの珍味で、酒の肴にもってこいですが、スーパーでは売ってませんよね。家庭菜園をやっている人は試してください。

写真はすっかり開ききっているので、こうなると種ができていてもう食べられません 。花はともかく、トウ立ちしたネギは固くて、ネギ自体食用にはなりません。ではこれらのネギはもう廃棄するしかないのか、というと違うんですね。

トウ立ちしたネギの真ん中くらいのところから上部をスパッと切り落としてしまいます。それを掘り出して植え替えます。しばらくすると新しい芽が出てきて、やがて古い株は枯れていきます。こうしてまた1本のネギになります。もちろん普通のネギです。食べられます。古いネギの再生です。実は、写真のネギはそのようにして再生、再生を繰り返し、5年ぐらい経ったものです。種から育てたネギを販売し、残ったネギはこのように再生して自家用にしています。いつものことながら、植物って本当に面白いですね。

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ヘビイチゴ

今いたる所にヘビイチゴの実が成っています。子供の頃よく採って集めたものです。親からはヘビイチゴは毒だから食べるなと言われていましたが、実は毒はないそうです。名前がおどろおどろしいので食べられないと思っていましたが、食べられるそうです。ただしまずいらしい。私は食べたことがありません。子供の頃の刷り込みで、食べる気にはなりません。

蛇は実際、食べるのでしょうか。よくわかりません。畑には蛇が結構たくさん生息しています。巨大なアオダイショウもいますし、見た目は綺麗なヤマカガシもよく見かけます。周りが田んぼなので、マムシも時々顔を出します。マムシは言うまでもありませんが、ヤマカガシも毒蛇です。油断できないですね。

それらの蛇たちがヘビイチゴを食べているところは見たことがありません。何でもカエルなどが大好物のようで、確かにカエルがたくさん出てくると蛇も多く見かけるようになります。基本的に肉食なんでしょうね。

さてこのヘビイチゴ、食用の役には立たないものの、小さなその赤い実を見ると何となく心がほのぼのとしてきます。なぜでしょう。

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サトイモの芽

サトイモの芽が出てきました。小さくてもしっかりサトイモしていますね。サトイモは春に植えて、秋から冬にかけて収穫します。半年以上も畑を専有する栽培期間の長い野菜です。普通は花が咲きませんので、花から採れた種を撒くのではなく、種芋を保存しておいて植えます。ニンニクと同じです。ごく稀に花が咲くことがあるそうですが、我が農園では残念ながら見たことがありません。

サトイモは夏の間に大きく葉を成長させます。太陽の光を目一杯浴びて地下茎を膨らませていきます。最初に親芋が形成され、その親芋から小芋が派生してきます。私達が食べている里芋はこの小芋です。大きな株になると小芋に孫芋が付くこともあります。一方、サトイモの一種である八頭は親芋を食べます。赤芽芋とも言われるセレベスという品種は両方とも食用になります。八頭もセレベスも地上の茎(ずいき)を食べることができますが、一般的な里芋の茎はアクが強すぎるので食べません。

サトイモは縄文時代から栽培されていたそうです。稲作よりも早いんですね。芋ですからデンプンが主成分ですが、あのネバネバ成分はジャガイモやサツマイモにはない貴重な栄養源です。ネットリした里芋の煮っころがし、本当に美味しいですよね。

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崩れる天気、下る天気

ジャガイモが芽吹きました。今年は遅霜もなく、順調に育ちそうですが、土の状態を見てください。カサカサに乾いています。このひと月の間、パラパラ程度の雨が数回あった程度で、本格的な雨は全く降っていません。畑は砂漠のような状態になっています。昨日は家が揺れるほどの強風でした。畑の土が舞い上げられ、視界が霞むほどでした。

農業をしていると天気予報は欠かさず見ることになるのですが、今朝の天気予報では予報士がこんなことを言っていました。「今日は昨日ほど気温は上がりませんが、風は収まり、雨の心配もありません。天気が崩れる心配はないでしょう。」

確かに青空が広がった晴天は気持ちのいいものですが、だからといって雨を全面的に悪者扱いするのもどうかと思います。雨が降るのは「心配」なことで、雨が降る日は「天気が崩れる」日という言い分は、かなり一方的な価値観を交えた表現です。人々の食を支える農業のことなどとんと眼中にないのでしょう。古代では雨乞いは為政者の重要な職務でした。天候による農作物への影響はまさに死活問題だったからです。今でも各地に昔から続く雨乞いの行事が残っています。

雨が降っては困る人もいれば降らなければ困る人もいる。前者が圧倒的に多いだろうからこれで良い、ということにいつのまにかなってしまったんでしょうね。その天気予報によると、明日からだんだん天気は下り坂で、明後日の日曜日は雨になるそうです。言葉遣いはともかく、農業従事者としてはその予報が当たることを祈るばかりです。

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百花繚乱

平昌オリンピックで日本選手団主将を務めた小平奈緒さんが口にしていた言葉「百花繚乱」。いつも思うのですが、小平奈緒さんのインタビューでの言葉はとても奥が深い。まるで詩のような趣を感じます。小平さんに限らず、最近のスポーツ選手は、十代の若い選手でもインタビューの受け答えがとても上手だなと感心します。運動能力に秀でた人は地頭もいいのかなと思うことしきりです。

さて今、世はまさに文字通りの百花繚乱の季節となりました。つい10日ほど前は雪が降っていたというのに、すでに春を通り越して早くも初夏のような陽気です。去年の夏は雨ばかり降っていました。秋は急速に冷え込み、寒く長い冬が続いたと思ったらこの暖かさです。野菜の値段が高騰したのもつかの間、今は成長しすぎで今度はダブつきそうです。この数年、異常気象の連続です。

農業は天候次第。毎年条件が異なります。その中で安定した生産量と収入を維持するのは並大抵のことではありません。農業従事者の高齢化は大問題ですが、かと言って若い人に勧められるかというと躊躇せざるを得ません。いずれ野菜も工場生産となる流れは変えようもない気がします。わが農場のような非生産的な農業はやがて淘汰される運命なのでしょうね。でもまだ当分続けますよ。

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つぼみ

2月も半分が過ぎてしまいました。いつもならもうそろそろ梅の花がちらほらと咲き始めるころですが、今年はやはり寒いのでしょう、まだあまり見かけません。

我が農場にも1本だけ豊後梅があるのですが、ご覧の通り、まだまだ固いつぼみのままです。もともとこの梅は咲くのが遅いのですが、近所の白梅・紅梅もまだ開いている様子はないので、この豊後梅の花が開くのは3月になるかもしれません。

畑のアブラナ科の野菜たちもまだひたすら寒さに耐えている状態です。畑一面が菜の花に彩られるのはまだまだ先になりそうです。

今、唯一出荷しているのは里芋です。里芋は前年の芋を種芋用に保管しておいて植えるので、典型的な固定種です。我が農場の里芋も、10年前に里芋栽培を始めた時から面々と栽培を続けてきた固定種。この農場でも7年間栽培してきているので、ここの土や気候にもかなり対応してきたようで、以前よりも耐寒性が強まってきた感じがします。以前は2月に入ると急に良品率が低下してしまいましたが、今年は3月まで出荷できそうです。