つくしんぼ

春になると一斉に植物の芽が吹き出しますが、中でも春の風物詩の代表格がツクシではないでしょうか。漢字で書くと土筆です。昔の人は命名が上手だなと感心します。子どものころは「つくしんぼ」といって喜んで摘んでいました。今の子供たちはあまり馴染みがないのでしょうか。

このツクシですが、植物としての名称はスギナで、そのスギナの胞子茎がツクシです。私は恥ずかしいことに、自分が農業を始めるまでその事実を知りませんでした。スギナもよく見かけますし、ツクシも子どものころから馴染んでいましたが、その両者が一つの植物として結びついてはいませんでした。

実はこのスギナは農業にとってはとても厄介な植物です。とにかく繁殖力が旺盛なのです。スギナが生えたからとうっかり耕運機やトラクタで畝ってしまうともう大変。ちぎれた地下茎から一斉に新たなスギナがはえ出てきます。除草剤もあまり効きません。根気強く引き抜いて処分するしかありません。土が酸性になると生えるそうなので、土の状態がある程度わかることがあえて利点と言えば利点です。

本格的な春の到来は、草刈りの季節の到来でもあります。これから秋まで、ひたすら草刈りに追われる日々が始まります。

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発芽

種蒔きの季節になりました。

2週間ぐらい前に蒔いたブロッコリーがようやく数日前に発芽しました。少し寒かったせいか結構日にちがかかりましたが、無事発芽。双葉が開きました。ブロッコリーの1週間後にキャベツの種も蒔きましたが、こちらはまだ発芽していません。暖かいと数日で芽が出るのですが、なかなか芽が出てきません。

夏野菜の定番、トマト・ナスなども種を蒔いてハウスの中に入れていますが、まだ発芽していません。そんなに寒い印象はないのですが、どうも今年は全般的に時間がかかっています。しっかりとした温度管理設備の整った苗屋さんであれば5月の連休ごろに植え付けられるように苗を作っていきますが、我が農場にはそんな設備はないので、ハウスと踏み込み温床で苗を育てています。定植できるような苗にまで成長するのがいつになるかはその年の天候次第です。この分だと、ただでさえ発芽までに時間がかかるピーマンなどはいつ定植できるやら。

写真のブロッコリーは、あと2週間ぐらいすると畑に定植できるぐらいに成長します。収穫できるのは6月中旬ごろでしょうか。いよいよ今年も本格的な畑仕事が始まります。

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春はもうすぐ

立春を過ぎてもまだまだ寒い日が続きますが、それでも季節は少しずつ動いています。すでに梅の花は満開に近く、桜の木々もこころなしか枝の花芽が膨らんできているような気がします。

畑はというと、まだまだ冬景色。でもよく見ると、春の訪れを告げる小さな花があちこちに咲いています。写真の青い花はオオイヌノフグリ。とても小さな花ですが、よーく見ると結構きれいな花です。日本の在来種にイヌノフグリというもっと小さな草花があるのですが、これは外来種。ここでも外来種が在来種を駆逐しているようです。イヌノフグリというのは何とも滑稽な名前ですが、種の形が犬のタマタマに似ているからだそう。種ができたら観察してみましょう。

ピンクの花はホトケノザ。春の七草に入っているホトケノザは本当はコオニタビラコという別種だそうです。ややこしいですね。このホトケノザは食べられませんのでご注意を。

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なんじゃこりゃ

正月の三が日はとても穏やかで暖かかったのですが、そのあとは急激に寒くなってきました。連続で氷ネタになりますが、今朝畑に行ってみると、水桶にはった水が凍っていました。見るとなんと三角形の氷が突き刺さっている。思わず「なんじゃこりゃ!」

360度、角度を変えてあらゆる方向から眺めてみても、間違いなく突き刺さっている! どうしてこんなことになったのかわからず、しばし呆然としました。そして少し冷静になって分析。まず考えられるのは誰かがいたずらをした…。でも普段ここに入ってくる人はまずいません。まったくありえないとは断言できませんが、わざわざこんなところに入ってきて、しかもこんな珍妙ないたずらをする人がいるというのは、非常に考えづらい。

とすると自然現象ということになりますが、考えられる可能性は…。たとえば、凍る際に膨張してその圧力で表面の氷が砕け、その一部が盛り上がって、そのまままた凍った。見ると平面になっている氷の表面が砕けた後のように凸凹している。

他には…、今のところ思いつきません。こんな現象初めてです。正月のミステリー。わかる人がいたら誰か教えてください。

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花と蝶

畑の片隅に菊の花が咲きました。植えた訳ではなく、自然に生えてきた菊です。畑も少し放置しておくといろいろな植物が生えてきます。畑では野菜以外はすべて雑草ということになりますが、コスモスやカーネーションなど、雑草として刈り取ってしまうのはもったいないような植物が結構生えてきます。

時には杉や栗、椿などの樹木も生えてきます。そんな植物の芽を見ると、つくづく自然の営みの一環にあることを感じさせられます。

11月が例年になく寒かったかわりに12月に入ってから暖かい日が続いているので、菊の花も健気に咲き続けています。そこに、季節を間違えたのか蝶が一匹。いくら暖かいとはいえ、朝晩は霜が降りるほど冷え込みます。この蝶は今夜を持ちこたえることができるのか。そんな人間の心配にはお構いなく、花があれば蜜を吸う。はかない命ですが、それが生き物というものなのでしょう。

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雪が……

11月24日は天気予報通り雪が降りました。それもかなり本格的に。東京での11月の降雪は54年ぶりだそうですが、埼玉では14年ぶりだそうです。東京に比べると埼玉はやはり寒いんですね。夏は暑いですし。

写真は前回紹介したニンニクです。ニンニクは雪にも耐えます。完全に埋もれても枯れません。雪が溶けると顔を出します。こうして冬を越します。手前にはタマネギが植えてあります。細い葉が飛び出しているのが見えるでしょうか。タマネギもニンニク同様、寒さに耐えます。

埼玉の観測地は熊谷なので川越近辺のデータはよくわかりませんが、実は川越郊外や鶴ヶ島近辺は、秩父地方を除いた埼玉の平野部では一番寒いという話を聞いたことがあります。

それは実感としても確かにうなずけます。北部の深谷あたりでは真冬でもネギが元気よく青々と育っていますが、このあたりでは凍ってしまって地上部の葉は枯れてしまいます。ダイコンもホウレンソウも凍ります。ですから冬になると、ハウス栽培かトンネル栽培をしない限り、商売になるような野菜は作れません。

私も2~3年前まではトンネル栽培を試みていましたが、もうやめました。1人でやるには効率が悪く、しかも冬の間、強風が吹き抜けるので、ビニールが度々吹き飛ばされてしまうからです。そのかわり、サトイモを多めに作り、凍らないように対処して真冬の間でも出荷し続けます。

それでも冬は農家にとって厳しい季節です。とくに今年の冬は寒そうなので、新しい冬の過ごし方を考えなければ。

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ニンニクの芽

ニンニクは播種から収穫まで10ヵ月ぐらいかかります。野菜の中ではかなりの長期間を要する植物です。関東ではだいたい10月ぐらいが蒔き時です。種蒔きと言っても蒔くのはニンニクそのものです。要するに球根です。毎年収穫したニンニクの一部を種として残しておいて、そのニンニクの1片1片を種として蒔きます。

数日経つと発芽します。写真は発芽したニンニクで、これが本当のニンニクの芽です。スーパーで売っているニンニクの芽は実際には芽ではなく、花茎です。5月ごろになると花茎が伸びてきて花を咲かせます。その花茎を食べているんです。花が咲くのですから種(本当の)ができてもよさそうですが、通常はできません。球根で増やします。

商売に支障が出ると困るのであまり言いたくないのですが、お店で買ってきたニンニクの1片を庭やプランターに蒔いても同じように発芽します。来年5月ごろには新しいニンニクが収穫できます。でもなるべく買ってください。お願いしま~す。

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島らっきょうの花

島らっきょうの花が咲いています。今の時期の畑は、秋から冬にかけての野菜(ホウレンソウやハクサイ、ダイコンなど)が青々としてはいるものの、全体的にはあまり見た目がパッとしません。夏に生い茂っていた草もほとんど枯れてしまって、我が農場も一面が枯草色に染まっています。そんな中で、畑に彩りを与えているのが島らっきょうです。島らっきょうといえば沖縄ですが、本州は関東でも育ちます。写真のような紅色の可憐な花を咲かせます。

もうひとつ今の畑に彩りを与えているのがイヌタデのピンク色の花です。こちらは野菜ではなくて野草、タデの一種ですが食べられません。タデといえば「蓼食う虫も好き好き」と言われるくらいですから、決しておいしいものではありませんが、このイヌタデは食べることすらできません。役に立たないからイヌタデと呼ぶのだとか。この「イヌ」を犬と捉えている人もいるようですが、それでは犬は大迷惑。語源は「否(イナ)」と考えたほうが自然です。

inu

ところで先日、我が家の愛犬が畑で何やらムシャムシャとやっていました。見れば何とイヌタデの花を食べていた! 食べられないタデを犬が食べるから「イヌタデ」? ネットで調べてみましたが、そんな事例は見つかりませんでした。新発見か、それとも単に我が家の犬の食い意地がはっているだけなのか。真相はいかに。

ちなみにこのイヌタデの花言葉は「あなたのお役に立ちたい」。う~ん、なんとも感慨深いような……。

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ニラの花

ニラはとても丈夫な野菜です。種がどこからか飛んできて、畑のあちこちに自然に生えてきます。販売用に作るのならそれなりに手入れが必要ですが、自分で食べるだけなので放っておくだけです。

ニンニクやタマネギなどもそうですが、本格的に作る場合には花は咲かせません。トウだちして蕾ができてきたら摘んでしまいます。花に栄養分をとられてしまうからです。でも小さな白いニラの花はとても可憐です。眺めていると一時、真夏の暑さを忘れさせてくれます。

花が咲き終わると当然種ができます。その種がこぼれてどんどん増えていきますが、ニラは根っこでも増えていきます。植物の生命力を改めて感じさせられる野菜です。

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驟雨と虹

今年の夏は大気がとても不安定な状態が続いています。畑にいるとまわりがよく見回せるので、どのあたりで豪雨となっているかよくわかります。

つい先日も午後から天気が一変して激しい雨となりました。その直前、真っ黒な雲が東の空に広がっていました。かなり近いところで激しい雨が降っているようですが、こちらはまだ降ってはいません。西の空はまだ晴れていて太陽が出ています。このような時は必ず虹が出現します。

はやく片付けて雨宿りをしなければと思いつつ、見とれてしまいました。なんだか願いを叶えてくれそうな……。

結局この後、ずぶ濡れとなりました。

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