■九鬼神流棒術(くきしんりゅうぼうじゅつ)


鎌倉時代末期に後醍醐天皇を守護した出雲の名和一族、大国家を起源とする。大国一族は代々武道に通じ、棒術・体術に優れていた。江戸時代になって、その末裔大国鬼平重信は揚心流柔術第四代を継ぎ、赤穂藩で高木流柔術、九鬼神流武術を教えた。江戸末期、第十代の高弟八木幾五郎久喜は天保の蛮社の獄に連座して藩を追われ、明石に移って道場を開いた。その道場で代々伝えられたのが九鬼神流棒術である。六尺の長棒、三尺または三尺五寸の半棒、及び柔術の技法を伝授している。