■天神真楊流柔術(てんじんしんようりゅうじゅうじゅつ)


天神神楊流柔術は磯又右衛門の工夫した柔術で、楊心流と真之神道流を合流したものである。流祖は勢州松坂の出身、紀州家の藩士で後に幕臣となり、江戸神田松林町お玉ヶ池に道場を構えた。門人数は5千余人に及び、磯家は5代まで続き、お玉ヶ池に大正年代まで道場が残っていた。講道館柔道の創始者加納治五郎も当流三代目磯正智及び弟子の福田八之助から天神真楊流柔術を習得し、講道館柔道の基礎とした。磯家が絶家したため、宮本半蔵が五代宗家を継承し、相宮和三郎が第六代を継承する。また、磯又右衛門正幸弟又一郎(二男)山崎家、三郎(三男)青沼家の承諾を得、柴田孝一(当道場師範)が第七代宗家を継承する。