水田の中干し

今年の梅雨は長かったですね。明けたのが7月下旬。この間、ほぼ毎日雨天が続きました。日照時間が極端に短く、稲作への影響も懸念されました。

稲作では真夏の一時期、意図的に水を枯らす中干しを行います。この地域では大体7月中旬ぐらいから下旬にかけて行いますが、今年は雨がずっと降っていたので中干しになりませんでした。水を堰き止めていても田んぼが乾かないのです。おまけに陽が照らないので、成長も今一。今年は凶作かと心配しましたが、8月に入ってからは打って変わって晴天続き。ようやく中干しができるようになり、成長も一気に進んできて、穂が出始めました。

この中干しですが、稲の根を活性化し、稲の倒伏防止の効果があるそうです。また土が固くなるので、田んぼに入って稗や粟などの雑草を取るのも楽になります。

9月に入ると緑の田園地帯は次第に黄金色へと変化していきます。9月も中旬になるとぼちぼち稲刈りも始まります。うちの田んぼでは毎年10月上旬に稲刈りをしています。新米の季節まであとわずか。猛烈な残暑が続いていますが、秋はもうすぐそこまで来ています。暑いのはうんざりですが、一方で夏の終わりというのは何となく物寂しくなりますね。

ジャガイモの実

そろそろジャガイモ収穫の季節です。今年は連休明けに遅霜に襲われました。4月の遅霜はさほど珍しくはないのですが、5月に入ってからの遅霜は初めて体験しました。かなり葉が枯れてしまったので心配でしたが、その後そこそこ回復はしました。芋にどの程度影響が出るか、それでも不安は残ります。

ジャガイモはナス科ナス属の植物です。ちょっと意外かもしれませんが、トマトやナスの仲間なんですね。それは花を見ると納得します。ナスの花にそっくりですから。実もつけます。すぐに落ちてしまうのであまり見かける機会は多くありませんが、小さなトマトのような実です。完熟すると種もできます。農作業では種芋を蒔いて育てますが、種からでも育てることができるそうです。品種改良は種を使ってやっているんですね。

少し前まで花が満開でしたが、今はすっかり落ちてしまいました。しばらくすると葉が枯れてきます。その頃になると地下で芋が膨らんでいて、いよいよ収穫。新ジャガの季節到来です。楽しみですね。

稲の苗

今まで話題にしたことがありませんでしたが、実は稲作もやっています。売るためではなく、自家用です。畑の地主さんから約1反の田んぼを借りて、見よう見まねで作っています。やり始めて5年目ですので、まだまだ初心者です。稲作の専門家からすればとんでもないやり方をしているかもしれませんが、それでも毎年美味しいお米がとれます。

田んぼの片隅に写真のような苗床を作って育てているのですが、5月初旬に蒔いた稲の苗が今青々と育っています。昨年はコシヒカリを作りましたが、今年は地元埼玉の「彩のきずな」を蒔いてみました。昨年特Aを取った埼玉自慢の品種です。

ほかの地域ではすでに田植えが終わっているところが多いと思いますが、このあたりは川越の中でも特に遅い地域です。これからこの一帯の田んぼには次々と水が入れられますが、田んぼが水で満たされると田園の風景は一変します。入れたばかりの水は澄んでいて、空や周辺の風景を鏡のようにきれいに映し出します。1年中でもっとも美しい光景が見られる時期です。それもほんの一時だけ。

さあ、今年はどんなお米がとれることか、今から楽しみです。

春菊の花

今春菊の花が満開です。名前の通りキク科の植物で、春に花が咲くから春菊。当たり前過ぎて何とも面白味のない名前ですが、あの独特の香りと苦味は格別です。お鍋料理には欠かせません。天ぷらにしても最高です。ほかの野菜には置き換えることのできない食材です。意外に知られていませんが生食することもできます。

春菊は家庭菜園向きの植物で、秋にプランターに種を蒔いておけば冬のあいだ中食べることができます。寒さにはあまり強くないので、霜の当たるところには置かないほうがいいでしょう。摘むときは株ごと引っこ抜かずに、生え際から数センチぐらい残して上を切り取ります。そのまま放置しておくと株元からまた葉が伸びてきます。大きくなってきたらまた切り取って食べます。採りたての新鮮な春菊はぜひ生サラダで食べてみてください。おいしいですよ。

こうして冬のあいだ食して楽しんだ春菊をそのまま育てていると、やがて写真のようなきれいな花が咲きます。食べて楽しみ、眺めて楽しむ。最高の野菜ではありませんか。

 

平成の終わりと万葉

今日は平成31年4月29日。明日で平成が終わりです。明後日からは令和という新しい元号の時代がスタートします。時間は区切りなどなく昨日から今日、今日から明日へと続くだけですが、呼び名が変わるだけで不思議と気分が変わる気がします。これがまさに改元の効果でしょう。

さて我が農園も改元で何が変わるわけでもありませんが、季節の推移だけは確実に変化をもたらしています。今、藤の花が満開です。といってもお隣さんの畑です。

新元号の「令和」が万葉集から取られたことが話題になりましたが、万葉集には様々な植物が詠まれていて、当時の人々が愛していた植物を知ることができます。藤の花を読んだ歌は26首あるそうです。万葉集には全部で4500首を超える歌が収録されていますから、26首が多いのか少ないのかわかりませんが、数えた人がいるんですね。

藤の花の色、紫は高貴な色として知られていますが、紫で思い出すのは紫式部。彼女は藤の花をことのほか愛したそうです。源氏物語でも「藤壺」「紫の上」など重要人物の名前として使われています。

毎年楽しませてくれるこのお隣さんの藤ですが、これを眺めながら万葉集に思いを馳せたことは今日まで一度もありませんでした。これも改元の効果と言えるかもしれません。

寒い春

早いもので4月も後半に入りました。今年は3月がとても暖かかったのですが、その後、急に寒くなり、4月に入ってからは震えるような寒さが続いて、連日強風が吹き荒れ、まるで3月と4月が入れ替わってしまったかのような天気が続きました。

3月の暖かさにつられて例年よりも1週間ほど早く、3月16日にジャガイモの種芋を蒔きましたが、その後の寒さで一向に芽が出ませんでした。先週、ようやくいくつかの芽が出ていることを確認しましたが、これほど発芽まで時間がかかったことはありません。

せっかく顔を出した芽も、その直後の遅霜にやられてしまいました。写真のように黒ずんでしまったは遅霜にあたったからです。ほとんど芽が出ていなかったのが幸いして、大きな被害はありませんでした。皮肉なものです。

農業は天候の影響をもろに受けてしまうのでいつものことではありますが、本当に難しいものだなと思います。今週に入って本格的に暖かくなってきたのでもう大丈夫でしょう。このまま順調にいけば、6月下旬には芋が食べられそうです。

ボケ

前回の梅に続いて今回取り上げるのはボケの花です。残念ながら今の時期、畑には菜の花と梅の花以外には華やかなものがありません。これは自宅の庭木です。今満開で、とてもきれいです。

ボケという名前から「ピンボケ」などの「ボケ」をイメージする人も多いのではないでしょうか。私もかつてはそのひとりでした。ボケの木にとっては何とも迷惑な話ですね。あちらの「ボケ」は「惚ける」からきていますが、こちらのボケは漢字で書くと「木瓜」。瓜のような実が成るからですが、実際には瓜と言うよりも、小さなリンゴ、あるいは小さな梨のような実です。同じバラ科ですから、似ていても不思議ではありませんね。ボケの実は生食はできませんが、果実酒やジャムにできるそうです。今までは実には見向きもしなかったのですが、今年は果実酒にチャレンジしてみようかと思います。

ところで山などを歩いているとよく地面を這うようにボケの花が咲いていますが、これは日本原産のクサボケです。庭木などで見かけるボケは中国原産で、大正時代頃から品種改良が繰り返され、現在は200種類以上の品種があるそうです。それだけ人気があるということですね。名前のイメージとは違って、極めてくっきりとした美しい花が人々の心を惹きつけるのでしょう。

桃栗3年柿8年……さて梅は?

梅の花が咲きました。豊後梅です。近づくととてもいい香りが漂っています。豊後梅は梅とアンズの交雑種だそうで、花が咲くのが遅めです。花の色はご覧の通り薄ピンク色。

ところでよく紅梅とか白梅とか言いますが、豊後梅はどちらでしょう。ピンク色だから色からするとその中間。ずっと気になっていましたが、実は紅梅・白梅の区別は花の色ではないんだそうです。幹(の内側)の色! 驚きです。とすると豊後梅は幹が白いから多分白梅。

この豊後梅は4年前に、栗と柿の苗木とともに植えました。いずれも接木苗です。栗の木は植えたその年に早くも実をつけました。梅と柿はまだ実がついたことがありません。よく桃栗3年柿8年と言います。確かに栗は早く、柿はなかなか実をつけません。では梅はどの位か? この言い回しには先がありますよね。でも「桃栗3年柿8年」までは一緒でもその先は地方によっていろいろなパターンがあるようです。柚子は大バカで18年だったり、梨が大バカで18年だったり。いやいや胡桃がもっと大バカで20年だったり。さて梅はというと、13年が多いようです。大バカではないようですが、それでも柿よりずっと長い! 当分この豊後梅の実にお目にかかることはできそうにありません。

たかが支柱、されど

野菜作りに欠かせない農業資材のひとつに支柱があります。まっすぐの支柱やトンネル用の支柱など、かなりの本数が必要になります。

ところでこの支柱、ホームセンターで売られているほとんど、というよりもほぼすべてが緑色。いつも思うのですが、なぜみな緑色なんでしょう。植物相手だから? でもそれがとても困るのです。夏になると畑は緑一色になります。そうすると支柱が目立たなくなる。それで困るのが草刈りです。刈り払い機で草刈りをしているときに、支柱があることをついうっかり忘れてしまい、草と一緒にチョン切ってしまうのです。これまでに何本、草と一緒に刈り取ってしまったことか。メーカーさん、オレンジ色とか黄色とか目立つ色の支柱を作ってください。お願いします。

それからこの支柱、様々な長さのものがあって用途に合わせて選べるのはいいのですが、短いものは細く、長いものは太い。当たり前のようにそうなっています。これ、合理的なようで実はそうとも限りません。短いものは細すぎてすぐに折れてしまいます。一応2種類の太さがあるのですが、太いほうでもまだ細すぎます。もっとしっかりした丈夫なものが欲しいのですが、ありません。

これらを作っているメーカーはそう多いとは思えませんので、競争原理が働かないのでしょうか。これに限らず、あまり進化や工夫がみられないジャンルって結構ありますよね。

私がいつも切実に欲しいと思うのが、ハンディな電動草刈り機。ディスクグラインダーのような作りで、ディスク部分が丸ノコの歯のようになっていて、草が刈れるもの。畑で使うのでもちろん充電式。ディスクグラインダーで代用できないことはないですが、それほど強力である必要はないので、もっと安く手軽に使えるものができないものでしょうか。そんなのがあったら私は即買います。メーカーさんいかがでしょう。

平成最後の…

2019年が始まりました。平成最後のお正月です…とお祭り騒ぎで言えるのがなんだか不思議な気がします。と言うのも、改元は天皇崩御に伴って行われるという認識が刷り込まれているからでしょう。昭和から平成に変わったのが昭和64年。前年の年末から昭和天皇のご容態がかなり悪いということが知れ渡っていたので、この年の正月はおめでたムードはほとんどなかったように記憶しています。年が明けて7日ほどで昭和は終わりを告げ平成がスタートしますが、不幸の後の改元ですから祝賀ムードはもちろんありませんでした。それに比べると今回の改元は明るい。歴史的に見れば天皇が存命中の改元が圧倒的に多いわけで、別に珍しいことではないはずですが、近代になってからは異例であるのもまた事実です。

昭和生まれの私が子供のころ、「明治は遠くなりにけり」という言葉がありました。そのころの自分には、大正生まれは前時代の人、さらにその前の明治生まれというのは遥かかなたの歴史上の人々のように思えたものです。それが今では「昭和は遠くなりにけり」。どんな元号になるのかわかりませんが、新しい時代の人からすると昭和生まれはもはや化石のような印象になるのかと思うと複雑な気分です。

さて、畑では昨年末(と言っても先週ですが)から一輪の菜の花が咲いています。写真では沢山咲いているように見えますが、かなり大きな1株の花です。 もちろん菜の花が咲くのは3月ごろですので、この菜の花は極端な早咲きです。咲いているのはこの1本だけ。 (ちなみに12月3日に書いたひまわりは結局咲くことはありませんでした。) 時期を見誤ったのでしょう。でもこの一輪の花が殺風景な冬の畑に暖かな潤いをもたらしています。新しい時代への転換を祝っているのでしょうか。これがいい兆しであればいいですね。昨年は災害の多い年でしたが、今年は明るい年となることを祈るばかりです。