蕾(つぼみ)

 この数日、春のような暖かい日が続きました。畑の梅の木の蕾たちもだんだん膨らんできました。豊後梅です。まだ若い木なのであまり大きくはありませんが、それでも家庭用の梅酒を作るのには十分なくらいの実が採れます。

 家の庭では寒椿の蕾も大きく膨らんでいます。

 実はこれ、寒椿と書きましたが、実際のところよくわかりません。遅咲きの山茶花(サザンカ)かもしれません。これを植えた父はもう他界しているので、本当は何の木なのかよくわからないのです。庭にはこのほかに明らかに椿と判明している木も1本あるのですが、それに比べると葉が小さく周囲がギザギザしているし花も山茶花に近いような気がします。いろいろと調べたのですが、結局のところ寒椿なのかあるいは山茶花なのか、よくわかりませんでした。これだけよく似ているのだから我が家ではすべて椿で一緒くたにしています。

 椿も山茶花も夏になるとチャドクガが付くので、本当は伐ってしまいたいのですが、花を見るともったいなくて伐れずにいます。

 木瓜(ボケ)も蕾を付けています。

 この写真ではよくわかりませんが、木瓜はバラ科の植物で枝にトゲがあります。剪定が厄介なのでこれも伐ってしまいたいのですが、きれいな花を咲かせるのでこれも伐れずにいます。

 ところで蕾という漢字ですが、草冠に雷と書きます。なぜ雷なのでしょう。ネットで調べるといくつかの説が見つかります。一番もっともらしいのは、エネルギーが凝縮されていることを表しているという説でしょうか。いくつも重なったつぼみの状態を表しているという説や、単に音を示しているに過ぎないなどの説も。どうも決定的な説はないようですが、この漢字、両手の平を卵を包み込むように合わせた雰囲気があって好きです。

 こんな木々の蕾を眺めていると、春も近いのだなと実感します。ついこの前2021年が始まったばかりなのにもう2月! この分だとあっという間に年末になってしまいそうです。

凍る冬

 この冬はとにかく寒い。朝晩の冷え込みは半端ではありません。早朝はほぼ毎日氷点下で、この数日は氷点下7度とか8度とかになります。これだけ気温が低くなるのはこのあたりでは記憶にありません。土も表面の数センチほどがカチンカチンに凍っていて、スコップも入りません。

 そんな低温下でも、冬を越すことのできる草は霜に覆われながら緑を保っています。 

 菜葉類も霜にまみれつつこの寒さに耐えています。

 畑には野菜ではない菜葉類がたくさん生えています。「野菜ではない」というのは野菜として育てるために種を撒いたものではないという意味です。野菜として育てていた白菜や小松菜などの種がこぼれて野生化したもので、そのような「野菜ではない」無数の菜葉が毎年勝手に生えてきて、逞しく育っています。上の写真もそんな菜葉です。陽が高くなって気温が上がってくるとそんな野生の菜葉もこの通り。

 すっかり萎れてしまっていますが、枯れてはいません。生きています。そのうち春が近づき暖かくなると元気を取り戻し、やがて花を咲かせます。それも立派な菜の花です。我が家ではその蕾を採って菜の花のおひたしにして食べています。春先の緑野菜が不足しがちな時期の貴重な食料です。

蝋梅、そして新春

 2021年が始まりました。年末からいつも通り庭の蝋梅の花が咲き始めました。この蝋梅、梅の字が入っていますが、梅の仲間ではありません。梅はバラ目バラ科、蝋梅はクスノキ目ロウバイ科で、親戚ですらありません。寒さに強く、日陰でも育つ丈夫な植物です。真っ先に春を知らせる植物でもあります。とは言え、寒さもこれから本格的となるこの時期、春の兆しを感じられるようになるのはまだまだ先のことです。

 蝋梅はいつも通り花を咲かせていますが、例年と違うのは今は新型コロナウイルスが猛威をふるっていること。去年はほぼ一年間、このコロナに振り回されました。そして新年早々の1月7日、東京・埼玉・神奈川・千葉には緊急事態宣言が発出されました。このコロナ禍、いつまで続くのでしょうか。今年の正月は初詣も自粛。蝋梅に心躍らせるいつもの正月ではありませんでした。

農薬考

 この写真は自家用に栽培している春菊で、農薬は使っていません。今年はめずらしくアブラムシの被害もほとんどなく、とてもきれいな春菊ができました。必要な分だけ採取して鍋料理などで楽しんでいます。

 ところで春菊といえば先日、福岡市で販売された春菊から基準値の180倍の農薬が検出されたとの報道がありました。検出されたのは有機リン系の殺虫剤イソキサチオンだそうです。体重60キロの人がこの春菊をほんの20グラム食べただけでよだれや涙、失禁、嘔吐などの症状が出るということですから、相当な残留量です。同じ農業を営む者として他人事ではありません。なぜこんなことが起こったのか、現在報道されている情報からは正確なところはわかりません。

 有機リン系の農薬は神経や呼吸器に作用する薬剤ですが、販売されているものでイソキサチオンを主成分とする農薬はさほど多くはないと思います。いくつかの報道を総合すると、農家が自家用として栽培していた玉ねぎの農薬が春菊にかかってしまった(あるいは誤ってかけてしまった)ということのようです。十分ありうることではありますが、いくつかの疑問が残ります。

 玉ねぎ用に、ということはおそらく土壌に散布する農薬だったと思われますので、一般的には顆粒や粉状の薬剤になります。粒剤であればこれだけの濃度で葉に残留するというのは考えにくいし、粉剤であれば風で飛んでかかってしまったということはあるかもしれませんが、出荷量からするとかなりの広範囲になるはずですから、意図的に散布しない限りそれもちょっとありえないでしょう。一部の報道には、春菊用の農薬と誤って「希釈した」農薬を散布した、というものもありました。だとすると使用したのは乳剤ということになります。残留量からするとそれが一番妥当かと思われます。

 乳剤は野菜ごとに定められた希釈倍数で薄めて使用します。野菜ごとの希釈倍数は薬剤の袋や容器に書かれていますから、希釈する際にそれを確認していればその時点で間違いに気づいたかもしれません。あくまでも想像ですが、もしこのような経緯で起こったとすると、この農家はまず農薬の種類を間違え、さらに希釈倍数を間違えた、という二重の間違いをおかしたことになります。

 もう一つの疑問点。玉ねぎに使用することのできるイソキサチオンの農薬とは何なのでしょうか。私は寡聞にして知りません。

 全国の農家のためにも、また消費者の信頼回復のためにも、JAくるめは今回の経緯について正確な情報をぜひきちんと公開してもらいたいと思います。

 さて、この事件(?)の話はこれくらいにして、一般論として農薬について考えてみたいと思います。我が農園はこのブログにも書いている通り、ほとんど農薬は使いません。なので商品としての葉物野菜は作りません。農薬を使わずに、販売できる葉物野菜を作ることができないからです。自家用には農薬無しで作りますが、多くは虫食いの穴だらけになってしまいます。自分で食べるのですから気にしませんが、いくら無農薬とうたったところで、こんなものにお金を出して買う人はいません。お店ではきれいな野菜しか売れないのです。

 日本の農薬使用に関する安全基準はかなり厳しく、基準を守っている限り人体には影響はないとされています。使わなければならない以上、作る方も食べる方もその基準を信じるしかありません。しかし「安全な農薬」というのは理論上ありえません。だから基本的に使わないのが一番の安全だというのが我が農園の考えです。

 そもそも、基準にのっとって正しく農薬が使用されているかどうかは実のところ生産者本人にしかわかりません。福岡の一件では販売したお店に「なぜそんなものを販売したのか」という苦情がきているそうですが、小売店では毒物の検査などしませんから(それはすべての商品と同様です)お店には気の毒としか言いようがありません。生産者がJAに出荷する際には普通、生産履歴の提出を求められますが、あくまでも自己申告ですし、生産者が間違いに気づいていない場合には意味をなしません。ときおりJAが抜き打ち検査をしますが、天網恢恢疎にして漏らさずとはなかなかいかないのが現実です。だからこそ生産者は細心の注意を払わなければなりません。これは自戒のことばでもあります。

 先程述べたように我が農園では農薬を使わなければならない葉物野菜は作らず、イモ類や果菜をメインに生産していますが、それでもそれなりに病虫害の影響は受けます。

 今年は主力商品のサトイモに多大な虫害が出ました。コガネムシの幼虫が大発生したのです。数年前にもありましたが、今回は過去最大級の被害になっています。

 

 ご覧の通り、芋が噛じられています。ほんのわずかでも噛じられてしまえば商品価値はなくなってしまいます。掘り出した芋の半分以上が食害にあっていて、本当に涙が出るくらい悔しい思いを毎日味わっています。こんなことなら来年からは農薬を撒いて憎き害虫を皆殺しにしてやろう、という悪魔の囁きについ身を委ねそうになってしまう今日このごろです。

 

 

初冬の花

 11月ももう終わります。今年も残すところあと1ヶ月ばかりとなりました。畑ではネギ、ハクサイ、ダイコン、シュンギクなどが緑鮮やかですが、夏に繁茂していた雑草はすっかり枯れてしまいました。そんな中で黄色い花を咲かせているのはオニノゲシ。上の写真のようにタンポポに似た花を咲かせます。葉はギザギザで棘があり、背丈は大きなものでは2メートル近くにもなります。

 少し引いて眺めると、こんな感じで結構たくさんの花が咲きます。青空にはそれなりに映えますね。

 秋に隆盛を誇っていたセンダングサの類はすでに種を付けています。この種が衣服に付くともう大変です。払ったくらいでは落ちません。

 先端が二股に分かれていますが、その二股になっている部分にはさらに細かい小さな棘があって、しかもそれが釣り針の返しのように逆向きに生えているのです。払って落ちるのは種の部分だけで、この先端の部分は服に残ってしまいます。なんかチクチクするなと思ってよくよく見ると、この先端部分だけが刺さったままになっている。本当にやっかいな草です。

 やはり黄色い花ですが、こんな花も咲いていました。なんの花かわかりますか? 本ブログの6月に一度登場しています。

 ミニトマトの花ですね。植えたのではありません。間引きして捨ててあった芽が根付いたのか、種がこぼれて芽吹いたのか。いずれにしても勝手に育ったトマトです。実を言うとこれは毎年のことです。しっかりと実も付けるのですが、残念ながら赤くなる前に霜が降りて枯れてしまうので、食べることはできません。

 さて今はまだいくつかの草が花を咲かせていますが、これから本格的な冬になっていくと、畑の色彩はますます失われていきます。

 つい2日ほど前の早朝に濃霧が発生しました。下の写真は朝の9時ごろのサトイモ畑のようすですが、まだかなり濃い霧に包まれていました。

 サトイモの葉もすでに萎れていて、なんとなく寒々しく感じられます。芋はもう半分ぐらい掘ってしまいましたが、残った株には土をかぶせて越冬です。2月までまだまだ掘り続けます。我が農園の冬の貴重な収穫物です。

秋の花、そして幸福の兆し

 秋の花というと多くの人がまず思い浮かべるのはコスモスかもしれません。漢字で書くと「秋桜」。桜好きの日本人は秋にも桜を咲かせました。今や秋になると日本中のいたるところでコスモスを見ることができます。赤、白、ピンクなどカラフルなコスモスの花が青い空のもとで一面に咲いていると、気候の良さと相まって実に清々しいものです。

 一輪の花を見ると、8枚の花びらを持つ一つの花のように見えますが、実はこれはたくさんの花の集合体。キク科の植物の特徴ですね。以前取り上げたタンポポと同じです。

 コスモスと同様に秋に群生して花を咲かせる植物といえば、彼岸花もあります。曼珠沙華と書くと独特の風情がありますね。夏の暑さが一段落した頃、突如地面からニョキニョキと花茎が伸びてきてお彼岸の頃に花を咲かせます。コスモスに比べると盛りの時期は短く、10月に入ると枯れて散っていきます。この彼岸花も一輪の花のように見える部分は複数の花の集合体ですが、独特の形をしています。真っ赤な色は綺麗でもあり、なんとなく不気味でもあります。

 花が散ると地面からはいっせいに葉が生え始めます。なんとも不思議な植物です。スイセンなどほかのヒガンバナ科の植物と同じように球根には毒がありますので、扱いには注意が必要です。

 さて何度も書いていますが、畑には様々な植物が勝手に生えてきます。畑は野菜を作る場所なので、野菜以外はすべて雑草ということになりますが、それは人間側の都合ですから、植物には関係ありません。放ったらかしているとだんだん大きな植物が繁茂してきて、やがていろいろな木も生えてきます。数年経つと雑木林のようになってしまいます。そんな遊休農地がこの近辺でもだんだん増えてきました。

 それはさておき、我が農園を観察して回ってみると、雑草の中にこんな花を見つけました。

 まるで大きな口を開けて黄色い舌を出しているような花ですね。アキギリ属の植物と思われます。他にも生えているかと思い、あちこち眺めて回ったのですが、他には見つかりませんでした。アキギリはシソ科の植物で、サルビアなどの仲間です。アキギリ自体はさほど珍しいものではありませんが、このような色形の花は今まで見たことがありません。

 またこの時期はカタバミの花もよく見かけます。小さな植物ですが繁殖力が旺盛なのでどこにでも生えてきます。

 ありふれた植物ですが、拡大してみると結構きれいな花です。その葉は3枚構成でよくクローバーと間違えられます。我が農園では両者が混在してあちらこちらに密生しています。それぞれの葉を見比べてみましょう。

 ご覧のようにカタバミの葉はハート型をしているのが特徴です。それに対してクローバーはというと……。

 写真を撮ろうと眺めていたら、思いがけず四つ葉のクローバーを見つけました。何かいいことがありそうな…。

 写真のようにクローバーの葉は楕円形で中に白い線があるのが特徴です。カタバミはカタバミ科ですが、クローバーはシロツメクサのことで、マメ科の植物です。ちなみにシロツメクサの花が咲くのは夏なので今は咲いていません。クローバーと間違えられるカタバミも四つ葉になることがごく稀にあるそうですが、見つけるのは至難の業だそうです。もし見つけたらクローバーよりもご利益があるかもしれませんね。

ニラ

 お盆のあたりから畑のあちらこちらでニラの花が咲き始めます。わが農園では作物としてはニラを栽培していないのですが、勝手に生えてきて至るところに群生しています。その繁殖力は相当なものです。お陰で、ニラ料理を食べたいときには必要な量を刈り取って使うことができて、なかなか重宝しています。

 上の写真のようにニラは小さな白い花をたくさん咲かせるので、群生していると一面が白い花で満たされ、真夏の暑さにうんざりしてくる頃に一服の清涼剤のような爽やかさをもたらしてくれます。そんな点でも貴重な植物です。小さな一つひとつの花も近づいてよく見ると意外と美しい花です。これが9月下旬まで次々と咲き続けます。

 これだけたくさんの花を咲かせるので、当然種もたくさんできますが、種を蒔いて栽培しようとすると結構時間がかかります。プランターなどで作ろうと思ったら、その辺に生えているニラを見つけ、数株引っこ抜いて植えるのが一番手っ取り早い方法です。まず枯れることはありません。ただし畑や他人の敷地から取ると泥棒になってしまいますのでご注意を。食べるときは使う分だけ葉を切り取って、そのまま放っておけばまた葉が生えてきます。株も年々増えていきます。

 ところで、ニラはネギ属の植物ですが、ネギ属は以前はユリ科に分類されていました。新しいAPG分類ではヒガンバナ科になっています。よくニラとスイセンを間違えて食べて食中毒になったというニュースを目にします。スイセンもヒガンバナ科ですので、その葉は似ているといえば似ています。しかしスイセンの葉はニラよりも幅が広くて厚く大きいし、ニラ特有の匂いがしないので、普通であれば間違えることはないはずです。もちろん花を見れば違いは一目瞭然です。ただニラとスイセンが一緒に生えていると、収穫する際に混在してしまうことがあるかもしれません。スイセンは有毒なので気をつけなければなりません。

 スイセンよりももっとニラに似ている植物もあります。畑の片隅にこんな植物がありました。

 これはタマスダレという植物で、やはりヒガンバナ科です。スイセンと同じく有毒です。これも花が咲いていればすぐに区別はつきますが、葉はニラにそっくりです。ニラの隣に生えていたら一緒に摘んでしまうかもしれません。スイセンよりも要注意です。

サトイモ

 わが農園の主力商品はサトイモです。5月ごろに芽生えたサトイモは、真夏には人間の背丈ほどに成長し、太陽の光を最大限受け止めようと大きな葉を広げます。上の写真は8月に撮影したもので、一番勢いのある時期のようすです。

 葉の大きさを測ってみたところ、大きなもので70センチぐらいはあります。昔、子供の頃に雨に降られるとサトイモの葉を傘代わりにしていたことを思い出します。子どもであれば十分雨をしのぐことができそうですね。

 日本ではサトイモ栽培の歴史は稲よりも古く、縄文時代から栽培されていたと言われています。とても丈夫な野菜で、草刈り以外にはほとんど手間がかかりません。

 さて、9月になると次第に葉も元気を失ってきて、いよいよ収穫時期が近づいてきます。この時期、地下ではどうなっているかというと……。

 まだ小さいですが、写真で茎の根元のふっくらした部分が親芋です。そこから小芋が出ていて、さらにこの小芋に孫芋が付きます。その孫芋がみなさんがよく食べているサトイモです。一方、小芋は小頭とも言い、店頭でも販売されていることもありますが、やや硬めでネットリ感は孫芋には劣ります。ただ、一般的に価格が安いのでお買い得ではあります。

 ところで我が家の庭には今年、サトイモが1本勝手に生えてきました。去年の芋が転がっていたのでしょう。観葉植物としてそのまま放置しています。芋は期待できませんが、夏の風情があってなかなかオツなものです。サトイモは水耕栽培もできますので、室内で観葉植物として育てることも可能です。

 大きな葉がしおれてくると、いよいよ本格的なサトイモの季節となります。

オクラ

 今、オクラの最盛期です。オクラはアオイ科の植物で、水戸黄門でお馴染みの徳川家三つ葉葵のあの葵の仲間です。意外ですね。日本で栽培されるようになったのは明治以降なので、歴史的には新しい野菜です。スーパーでよく見かけるのは五角形のオクラですが、丸いオクラもあります。ネバネバした食感が特徴で、栄養豊富。近頃は免疫力アップにつながる食材として注目されているようです。

 花の美しさは野菜の中でも一番ではないでしょうか。オクラを植えた一角は、真夏の畑の中でひときわ存在感を示しています。

 オクラの成長はとても速く、6月頃には10センチぐらいの背丈だったのが、その後グングン成長し、一月ほどであっという間に人間の背丈ほどになります。9月いっぱいまで成長を続けますが、その間、欠かすことなく花を咲かせて実をつけ続けます。生命力旺盛な植物です。

 実の成長も速く、開花してからほんの数日で収穫期を迎えます。オクラの実は大きくなると繊維が固くなってしまい、煮ても焼いても食べられなくなってしまうので、ほどよい大きさで収穫しなければなりません。収穫日が一日ズレただけでアウトになってしまいます。

 どのくらい成長が速いか、定点観測をしてみました。

花が咲きました。

翌日、すでに実ができ始めています。

花が咲いて二日目です。

花が咲いて四日目、ちょうど程よい大きさです。ここで収穫しないと翌日には大きくなりすぎて固くなってしまいます。

 野菜の天敵カメムシはオクラが大好物ですが、オクラの成長があまりにも速いため致命的な食害を受けることが少なく、その点でもありがたい野菜です。そろそろ夏バテ気味の皆さん、オクラをたくさん食べるとその生命力にあやかれるかもしれませんよ。

カボチャの花・ウリ科の花

 梅雨の真っ最中ですが、夏野菜たちは順調に花を咲かせています。とりわけ大きな花を咲かせているのがカボチャ。朝はきれいに開いていますが、昼頃にはすぼんできます。カボチャの花は人気者で、ウリハムシをはじめいろいろな虫がやってきます。その容姿からすると、いかにも花粉や蜜がたっぷりありそうに見えますよね。

 南瓜と書くくらいですからもともとは南の植物なのでしょう。人類は1万年ぐらい前からカボチャを栽培していたという研究もあるそうですから、人類とカボチャとの付き合いは相当長いようです。日本には16世紀ごろにポルトガルから入ってきたといいますから、さほど古くはありません。

 ところでウリ科の植物の花は雌雄別花が特色ですが、雄花・雌花は容易に見分けることができます。

 写真右のように、花の下に小さな膨らみがあるのが雌花で、これが大きくなって実になります。左の雄花にはこれがありません。

 カボチャといえば冬至に食べるものという印象が強いですが、実が成るのは夏です。それがなぜ冬至と結びついたのかというと……ネットで検索すればその理由を説明したサイトが沢山出てきます。よってここでは省略。

 カボチャはビタミンなどの栄養が豊富で、しかも日持ちが良く、サツマイモと同様、採りたてよりもしばらく寝かせたほうが甘くなります。9月~10月ごろに食べると一番美味しいような気がします。

 そんなことに想いを巡らせていると、カボチャの天ぷらや煮物が無性に食べたくなってきました。収穫が待ち遠しい!

同じウリ科のゴーヤの花。
こちらはスイカの花。ゴーヤと大きさも形もよく似ています。いずれも雌雄別花です。